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スマホファースト&Google重視。リスティング広告をめぐる環境を見直して広告効果をUPするコツ

インターネット広告においてもユーザーが広告離れをしていると言われる中、依然として高い効果を維持しているのがリスティング広告です。ところが、最近になって検索エンジンの利用実態に大きな変化が起こっていますので、リスティング広告の出稿についてもそれに応じて見直す必要がありそうです。
これからの広告出稿を考える上で外せない要因として「Googleのシェア拡大」と「スマホ検索の増加」があります。

この記事では、インターネット広告をめぐる環境の変化をデータをもとに検証しつつ、リスティング広告の効果を高めるコツについて考えていきますので、ぜひ参考にしてください。

ネット広告全体の中のリスティング広告の立ち位置

インターネット広告の中で増えているのは運用型広告

WEB上の広告業界はまだまだ成長途上にあり、変化の激しい分野ですので、最新の状況を知っておくことはとても重要です。まずはWEBマーケティング全体の中でのリスティング広告の立ち位置を把握しておきましょう。

ネット広告全体の流れは、次のグラフを見ればわかるように、右肩上がりに推移しています。しかも、スマホの市場規模は年々シェアを増やし、2015年についにPCの市場規模をは超え、今後まだまだ伸びる勢いです。

インターネット広告市場規模推計調査(2016年)より

 

別のグラフを見ると、ネット広告内での「運用型広告(入札によって運用していくタイプの広告)」のシェア率は68%にも及んでおり、現在の主流となっていることがわかります。

出展:上記に同じ

リスティング広告が選ばれるようになった理由とは?

このようにネット広告全体の流れとしては、運用型広告が右肩上がりで伸びており、その中でもリスティング広告に人気があるという傾向があります。
リスティング広告が企業から高い評価を得ている理由としては、次のようなメリットがあるからと考えられます。

  • 自社コンテンツと関連性の高い広告が掲載されるため、広告効果が高い
  • キーワードの設定や掲載する広告の種類などを調整しやすい
  • 予算を細かく設定できる

ユーザーが何かものを購入したりサービスの利用を検討するときに、情報をネットで検索するということが増えていますので、その検索キーワードと関連性の高い広告が掲載されるということが広告効果の高さに直接結びついています。
さらに、予算や広告内容が細かく調整しやすいことが支持される理由となっています。

広告環境の変化のポイントは「Googleのシェア拡大」と「スマホの増加」

リスティング広告の出稿環境に大きな変化が

次に、リスティング広告をめぐる広告環境の変化について見ていきます。

日本においてリスティング広告の代表的な存在は以前から「Google Adwords」と「Yahoo!スポンサードサーチ」の2者です。限られた予算で広告を出す場合は、これらのうちどちらか一方のみを選ぶというシーンも多かったはずです。

日本においては昔はYahoo!のシェアが大きく、「広く一般的に利用されている検索エンジンはYahoo!である」とされていました。一方Googleのイメージは「IT関連の知識が豊富な人が利用している」というものでした。そのため、どちらか一方のみに出稿する場合は、とりあえずYahoo!を選択するということが多かったと考えられます。
しかし、現在の状況はそこから大きく変わってしまっています。

日本でもYahoo!のシェアが低下しGoogleがトップに

最近の検索エンジンの利用実態はどのようになっているのでしょうか。下記の表では、2015年の段階の世界各国でのシェアを見ることができます。

出典:いつの間にか日本もGoogle寡占! 検索エンジンシェア早わかり2015(ASCII.jp)

日本の項目を見れば一目瞭然ですが、Googleが約61%を占めており、Yahoo!はその半分の約32%となっています。
広く一般的に使われている検索エンジンはYahoo!であるという前提はもはや完全に無くなってしまっていることがわかります。

Googleのシェア拡大にはスマホの普及が関係している

Yahoo!の人気が高かった日本でもGoogleのシェアが大幅に拡大した背景には、スマートフォンの普及があると考えられます。日本の大手携帯キャリア3社が扱う端末としてスマホの割合が大幅に増えたことで、今までいわゆるガラケー、フィーチャーフォンを利用していた人もスマホを持つことが増えています。

AndroidのスマホではGoogleがデフォルトの検索エンジンになっているのは当然ですが、実はiPhoneのデフォルトもGoogleになっています。一般ユーザーがスマホを使って検索するときは、自分で意識的に別の検索エンジンを選ばない限り、自然とGoogle検索を使うという流れになっているのです。

リスティング広告出稿のコツは「ユーザー視点」で考えること

検索エンジンで決めるよりユーザー視点で決めた方がうまくいく

このようなことを考えると、インターネット広告のトレンドはリスティング広告で、Googleのシェアが高いのだからとりあえずAdwordsを選べばよいのではないか、と思えてきますよね。
もちろんそれが多くの企業が行っている選択であり、実際に有力な選択肢ではありますが、必ずしも最善とは限りません。

例えば、Googleのシェアが現在のように拡大する以前は、GoogleのユーザーはYahoo!で検索をする人と比べて広告嫌いが多いと言われていました。
広く一般的に利用されるようになった今でも、一部のGoogleユーザーでは同じ傾向が続いていると考えられますので、業種や商材によってはこういったことも考慮する必要があります。

また、全体的な傾向としてはGoogleのシェアが拡大しているのは間違いありませんが、検索エンジンの利用データを細かく分析すると、利用者の属性や検索が行われる環境によってはシェアが逆転する場合もあるのです。

次のグラフを見てみると、年齢層ごとの検索エンジンのシェアでは、高齢者層ではYahoo!の方が使われているということがわかります。
男女で分けると女性は若干Yahoo!の利用が多いのも分かりますし、iOSユーザーはYahoo!をよく利用するという傾向が如実に現れています。

出典:【調査結果】検索ユーザー動向調査-2015年版(Crossfinity)

つまり、リスティング広告の出稿にあたっては、「Googleにするか、Yahoo!にするか」という選択よりも、ユーザー視点で決定する方がより確実に成果に結びつきやすいということです。
上記のグラフの例で言えば、自社サービスが特定の年齢層に向けたものである場合は、ターゲットに応じて広告の出稿の仕方を検討するべきということになります。

ユーザー視点で考えるためには自社のアクセス解析データが重要

それでは、ユーザーの視点に沿った広告出稿を行うにはどうすればよいのでしょうか。ここで重要になってくるのが、自社のアクセス解析データです。
実際に自社サイトに訪問してくれたユーザーのデータを様々な角度から分析すれば、流入経路はどういったものが多いのか、自然検索ならどの検索エンジンが多いのか、モバイルなのかPCからのアクセスなのか、など具体的な傾向が把握できるはずです。
インターネット広告全体の一般的な傾向を参考にしながら、自社のアクセス解析データをもとにユーザーの行動を把握して、それに沿った施策を行うことがリスティング広告出稿のコツと言えそうですね。

まとめ

  • インターネット広告の広告費は右肩上がり。中でも運用型広告の伸びが著しい。
  • 日本の検索エンジンの利用実態は、Googleのシェアが大幅に拡大し、スマホでの検索が増えている。
  • リスティング広告を成果に結びつけるコツは、一般的な傾向を参考にしつつ、自社のアクセス解析データにもとづいて、ユーザー視点で出稿すること。

株式会社エムハンドマーケターチーム

広告戦略を元に、クライアントの課題解決に向けたプロモーション活動を提案・実行します。

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