Concept

出版文化を支えるクライアントの
ブランド力を高めるコーポレートサイトに

1949年創業の日本出版販売株式会社(日販)様は、出版社と書店をつなぐ出版取次事業者として、日本全国津々浦々に出版物を流通させています。近年は、書籍や雑誌と合わせて文具・雑貨販売のさらなる拡大にも注力しており、さらに「本」という文化を未来に残すための出版流通改革にも取り組んでいます。

今回のコーポレートサイトリニューアルは、掲載内容を実態に即したものに変え、ブランディングを強化するために実施しました。リニューアルコンセプトは「本を通して豊かさを届ける」。出版取次業界を牽引するトップランナーである日販様が、日本全国に出版物を届けることで、多くの人々の文化的生活を支えていることを前面に打ち出す内容に刷新しました。

ご依頼の経緯

コーポレートサイトのリニューアルについてお問い合わせいただき、競合プレゼンを経て、複数社の中から当社にお声がかかりました。明快な導線設計やサイトマップの改善案を高く評価いただけたことが、選定の決め手になったのではないかと思われます。

リニューアルの主目的である企業のブランドイメージ向上を実現させるために、「ESGに配慮した取り組みに積極的で、時流に乗って成長し続ける企業」であること、「本や出版業界の未来のために邁進する企業」であることがしっかりと伝わるコーポレートサイトをめざして、全体構造の設計から取りかかりました。

Mission

課題・改善提案

企業の強みを徹底的に洗い出し体系的な構成で検索性を向上

クライアントは旧コーポレートサイトが抱える課題として、「サイトデザインが古い」「掲載情報がアップデートできていない」「取引方法などユーザーがほしい情報が網羅されていない」ことなどを挙げており、リニューアルによりブランド力を高めることを期待されていました。

日販様は業界最大手であり、日販グループの総合力を活かして、出版取次からIPソリューションの提供まで幅広いニーズに対応することが可能です。また持続可能な世界を実現するためにESG(環境・社会・ガバナンス)にも配慮して、出版流通改革にも積極的に取り組んでいます。こうした他社と差別化を図れるポイントをていねいに抽出・整理して強みを明確に打ち出し、既存顧客はもちろんのこと、潜在顧客や求職者、一般消費者にも満足いただけるサイトをつくることをお約束しました。

課題解決に向けたおもな改善提案

01サイトデザイン

トレンドとブランディングを意識した、企業イメージを高めるデザインに変更することを提案。

02コンテンツ

日販様のコーポレートサイトの利用者は、既存取引先(出版社、書店)、潜在的取引先、求職者(おもに学生)、一般消費者と多岐にわたるため、情報を整理してそれぞれのターゲットに向けたコンテンツを設置することを提案。

03ユーザビリティ

簡素なつくりのグローバルナビゲーションメニューを見直し、他ページへの遷移や回遊しやすい導線設計にすること、いつ誰が訪れても容易に目的の情報を見つけられるように適切に構造化することを提案。

Planning and
design

企画設計

コンテンツとユーザビリティの改善に注力
ユーザー目線で操作の快適さを追求

企業の魅力を最大限に伝え、多様なユーザーが必要な情報を感覚的に選び取れるように設計しました

コンテンツの設計ポイント

01私たちについて

理念や強み、企業情報を写真や図、数字などを用いてまとめ、視覚的にわかりやすいレイアウトをめざしました。(対象:全ステークホルダー)

02WORKS

ブックディレクションやオフィスライブラリー導入、書店リノベーションなど多岐にわたるサービスを紹介するために、これまでの事例をまとめた「Works」というコンテンツを新設。あとから事例を追加できる仕様にしました。(対象:既存取引先、潜在取引先)

03ESG

ESGに対する真摯な姿勢を示すため、ESGを構成する3分野(環境・社会・ガバナンス)それぞれにフォーカスしたページを用意。各ページで写真や図を効果的に使って、企業姿勢や取り組み内容を把握できる構成にしました。TOPページの「ESGへの取り組み」から遷移して、詳細を確認できるようにしたのもポイントです。(対象:既存取引先、潜在取引先)

04ベストセラー(ハンバーガーメニュー・TOPページ・フローティングボタン)

文字情報がメインだったコンテンツを、表紙写真つきのコンテンツにバージョンアップ。ベストセラー作品を知るためにサイトへ訪れるユーザーも多いことから、視認性を高め、より魅力を感じていただけるコンテンツにしました。
TOPページでも週間・月刊・年間ベストセラーの1位から20位までを見られるようにして、表紙写真を大きく表示。書籍の実物をイメージさせることで、ユーザーの収集欲をくすぐることを狙いました。(対象:一般消費者)

05英語ページ

「会社概要」のみ英語ページも作成して、グローバル化に対応しました。(英訳は当社から外部企業様に翻訳依頼)

ユーザビリティの改善ポイント

01ハンバーガーメニュー

サイト全体を把握しやすいように多層構造のリンクを一覧表示。メニュー内下部には、取引を検討しているユーザーを関連ページに誘導するためのボタンも設置しました。

02検索機能

サイト内検索の利便性を高めるために、検索エンジンをGoogleからWordPressに変更。離脱防止のため検索結果に他社広告を表示させず、サイト内ページのみを見られる仕様にしました。また「Works」と「ESG」のTopicsでは、カテゴリーごとに事例を絞り込んで表示できるようにしました。

Design and
development

デザイン・開発

木漏れ日のような背景や縦書きを取り入れ
本を想起させるデザインを考案

デザインコンセプトは「本をとおして豊かさを届ける」。本は読む人の心を動かし、人生を豊かにします。出版取次は機械的に本を流通させるだけではなく、人々に豊かさを届ける事業であることをユーザーに印象づけられるようなデザインをめざしました。

とくにこだわったのは背景です。読書に夢中になっていて、ふとページをめくる手に目をやると、窓の外から木漏れ日が差していることに気づく。自然光はPCやスマホでは感じることのできない光です。みずみずしく透きとおった木漏れ日が差しこむ穏やかなひとときをイメージした背景を用いて、時の流れ(読書の時間、クライアントの歴史)と本がもたらす豊かさを表現しました。

ほかにも、見出しに縦書きを取り入れる、ハンバーガーメニューのアイコンを本を横から見た形にして「索引」と記すなど細部までこだわり、本の世界観を演出しました。

PCイメージ
SPイメージ

Results

社内外の多様なニーズを満たす
訴求力のあるコーポレートサイトが完成

ブランディング戦略に貢献するコーポレートサイトが完成して、ユーザーからもよい反応を得られていると伺っております。営業のきっかけづくりのために、取次関連の資料をPDFで提供できるようにしたことも好評で、クライアントは新たな取引が生まれることを期待されています。また、お問い合わせフォームの選択肢を細分化したことで対応部署への振り分けが自動化されて、社内業務の効率化を図れた点もご満足いただけているポイントです。

対外的な評価だけでなく、クライアントの内での評価も高いコーポレートサイトに仕上がり、当社としても嬉しく存じます。今後も、ブランディングを含めたWeb制作のエキスパートとして、クライアントの事業を支えるサイトづくりを全面的にサポートしてまいります。