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ホームページのABテストとは?インハウスWEB担当者が知っておくべきABテストのもたらす効果を解説

ホームページなどを用いたWEBマーケティングの強みの一つに、テストマーケティングが行いやすいという側面があります。ネット環境が充実したことで、コストを抑え、比較的短時間でテスト結果を収集し、統計を取ることが可能となりました。その代表的な手法として、ABテストがあります。
例えば、注目度の高いWEBサイトやメルマガ、ランディングページなどの作成や運用を行いたい場合、より人目を惹く表現を見出すために利用します。
WEB担当者であれば、ABテストをご存知の方も多いかと思いますが、今回はこれをどのように利用し、どのように活用するかで、もたらす結果が大きく変わってくることを、具体例を踏まえながら説明していきたいと思います。

ホームページで行うABテスト」とは

ホームページ上で行うWEBマーケティングでは、視覚から与える第一印象やターゲットを惹きつけるキャッチコピーなどがとても大切になってきます。
しかし、その選定は難しい作業です。そのため、色々と候補をあげ、絞り込んでいく際にホームページ上のABテストが利用されます。
ホームページで行うABテストとは、

  1. 複数の異なるパターンのWEB制作物(ホームページ、UI、システム、商品など)を用意します。
  2. 実際にユーザーに表示させて利用してもらいます。
  3. その優劣反応をみながら、最適な形を導き出します。

上記のような流れで行う手法を指します。
これは国内外で多く利用されている方法で、海外の実例においては、成約率が300%以上アップしたという報告もあります。

ホームページで行うABテストの流れ

では事例を踏まえて具体的にやり方を見ていきましょう。

《スキンケア通販のランディングページのABテスト》

目的:スキンケア用品のトライアルセット申込み

ここでは2パターンのキャッチコピーを用意し、どちらが効果的かをテストします。

《テスト結果》

CVR(コンバージョンレート)は、一目瞭然です。
このスキンケアブランドがBパターンのキャッチコピーを採用してランディングページを展開していることは言うまでもありません。
Aのように「美肌」「美しい女性をイメージさせるような、的を絞らない抽象的な表現がいいのか、Bのように悩みや年齢など具体的に打ち出すことでターゲットを絞った方がいいのか、方向性を大きく左右する決断ですが、判断に悩みます。
それならば、ユーザーに直接聞いてみればいい!と言うのが、ABテストなのです。
企業イメージや商品イメージ、コンセプトなど、広範囲に影響を及ぼすキャッチコピーの作成時には、議論になることが多く、このABテストがよく実施されます。

導入のチャンス広がるABテスト

従来まではWEB担当のチーム内での意見や推測、好みなどで表現が決められていたため、どうしても似通ったものになったり、一部のユーザーにしかヒットしなかったり…ということが多くありました。
しかし、テストマーケティングを導入することで、しっかりとした根拠に基づいて判断できるようになります。
そうして、効率的なWEBマーケティングが可能となるのです。

ABテストのコストやツール

そのような効果的なものがなかなか普及してこなかったのは、やはり、制作コストの問題が大きかったといえます。
しかし、ホームページの制作費用はかなり安くなってきており、簡単なものであれば自分で作成できる人も増えてきました。

また、ABテストを行う際は、比較材料となるパターンをいくつも出し分けていくツールが必要となりますが、以前はこのツール自体が稀少で高価でした。
ですが、最近は安価なものや種類が増え、無料で使用できるものまであります。
無料で利用できる代表的なツールとしてGoogleオプティマイズなどが挙げられます。
このような環境の変化により、テストマーケティングはより身近なものになってきたと言えます。

ホームページのABテストによる改善成功事例

より具体的なイメージが掴めるよう、実際にWEB上で公開されているABテストの中でも、飛躍的な効果を発揮した事例をご紹介します。

《事例 1 結婚相談サイトのメインイメージ》

「ferret」記載

資料請求や予約をコンバージョンとする結婚相談所のサイトトップページにおける、メインイメージのテストが行われています。
このケースにおいては、コンバージョンが上がらない原因を直帰の多さであると分析しており、それを改善することでコンバージョンが上がるという仮説に基づいて実施されています。
さらに、春に実施するということから、明るく爽やかな季節感を導入することも提案されていました。

今回の事例は3パターン用いられていますが、画像や色、キャッチコピーなどの組み合わせを変えながら、複数のパターンで実施していくことが可能です。
このようにして比較していくことで、ユーザーに響いた要素と組み合わせ方を特定していくことができます。

《事例2 高級インスタントコーヒー定期購入申し込みページ》

「KAIZEN platform Inc.」ブログ掲載

定期購入の増加をコンバージョンとして、特典の表現の仕方を変えたパターンによりテストが実施されています。
最初のテスト段階でCVRが8%向上しましたが、その後も継続的に微調整を繰り返し、飛躍的な成果をあげています。

非常にオーソドックスなテストですが、組み合わせパターンは無数にあり、そこを細かく突き詰めていくことでさらなる成功を呼び、月間売り上げにして数億円規模の大幅改善を見せました。

《事例3 コンテンツ配信サイトのコンテンツダウンロードボタンのテスト》

「optimizely」記載

ンテンツ配信数の増大をコンバージョンとし、ボタンのテキストとアイコンの組み合わせパターンのテストを実施しています。
申し込みボタンといった細かいパーツ部分の比較テストも、ABテストを用いて頻繁に行われます。
特にコンバージョンに直結するような箇所の実施はとても大切です。

ABテストに対する心理的・物理的障壁

上記のような事例から、ABテストの重要性や比較したい部分や比較パターンなど、どのように利用すれば良いかというイメージが湧いてきたことと思います。
しかし、WEB担当者に知見がなくテスト未経験の場合、すぐにABテスト実施に踏み出せない場合もあるかと思います。
今まで自分の予想を中心にWEBサイトの運営を行ってきた担当者にとっては、ABテストによって自分の予想と違う結果が出ることに懸念を抱く声もあります。
ですが、だからこそテストが必要なのです。事業規模が大きくなればなるほど、対象のユーザー数も多くなることが予想されます。
そうなると、個人でマクロな視点を持つ事は非常に困難です。まずは一歩踏み出して、簡単なABテストを利用してみましょう。

さらに、ツールが多すぎてどれを選べばいいかわからないと言う場合も出てくるでしょう。
ツールごとにそれぞれ特色が異なり、どれを選ぶかと言う判断は、確かに難しいでしょう。
そんな時は、無料で利用できるツールを実際に使ってみるのも一つの方法です。情報収集をしながら実際に少しずつ使用することで、利用したいツールがわかってくるでしょう。

ホームページでABテストを行ってコンバージョンをアップさせよう

  • ABテストとは、異なる形の表現を用意し、ユーザーの反応からその優劣を比較するテストである。
  • キャッチコピーやクリックボタン、画像やそのカラーやフォントサイズなど様々な比較が可能。担当者目線ではなく、ユーザ目線のデータからの導きによって、より効果的なものが選択でき、改善につながる。
  • 手軽に利用できるツールの種類も増え、価格も抑えられるようになってきている。

ぜひ、ホームページのABテストを積極的に利用しながら、WEBマーケティングを行っていただき、コンバージョンアップを目指してください。

株式会社エムハンドマーケターチーム

広告戦略を元に、クライアントの課題解決に向けたプロモーション活動を提案・実行します。

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