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SEO対策が成功した後のWebサイトはどのように展開するべきか

Webサイトの集客施策としてよく挙げられるのがSEO対策です。近年では検索エンジンのアルゴリズムが複雑になり、成果を上げる難易度は非常に高くなっています。

一方で仮にSEO対策が功を奏し、安定して問い合わせが発生する状態を構築できたとしても、集客効果が持続するとは限りません。それどころか現状維持だけに注力していると、集客効果は徐々に低下していく可能性もあります。

では、なぜ集客効果が持続しないのか、本記事ではその理由と、SEO対策が成功した後のWebサイトの展開について考えていきます。

■目次

・SEO対策の成功の定義

・SEO対策が成功しても集客効果が持続しない要因

・SEO対策が成功した後のWebサイトの展開例

・おすすめできないWebサイトの展開例

・まとめ

SEO対策の成功の定義

まずは本記事で定義する「SEO対策が成功した」とは以下の状態です。

任意のWebサイトで「ターゲットキーワードが集客エリアで自然検索1位表示を持続している」状態

下位の競合に比べて見込み顧客のユーザーがWebサイトへ流入する機会が多く、問い合わせも継続して発生しています。

また、1位表示を持続するためにWebサイトはリニューアルなどの大きな変更はせずに、定期的に情報を更新をしています。

SEO対策が成功しても集客効果が持続しない要因

SEO対策が成功しWebサイトは非常に理想的な状態にあります。それでもなぜ集客効果が持続しないのか、以下の3つの要因が考えられます。

  • ユーザーの需要の変化
  • 市場の変化
  • 検索エンジンの変化

・ユーザーの需要の変化

ここでの需要の変化は「検索機会の変化」「検索意図の変化」の2つを指します。

検索機会の変化

「ターゲットキーワードをユーザーが検索しなくなった」ということです。一時的な需要の低下で時間経過により復調するケースもあります。

自然検索が1位であってもユーザーの需要が低下して検索機会が減少すると、当然ながら見込み顧客のアクセス数は減少してしまいます。

検索意図の変化

「ターゲットキーワードで検索するユーザーの意図が変化した」ということです。

例えば一昔前は「ホームページ デザイン」には「ホームページを制作する会社を探している」というユーザーの検索意図が含まれていました。「ホームページ 制作」と同義です。

しかし近年では「ホームページのデザインのみ対応する会社を探している」という意図に替わったように感じます。

つまりターゲットキーワードを検索するユーザーの属性が、見込み顧客以外のものに替わる現象です。

アクセス数は減少せずともWebサイトで問い合わせが発生する機会、コンバージョン率が低下する、もしくは質の低い問い合わせの発生率が高くなることが懸念されます。

・市場の変化

ここでの市場とは「競合他社の価格帯やサービス内容」を指します。

競合他社の価格帯が低くなったり、需要に沿った新しいサービス内容が提供されたりすると、Webサイトを訪れたユーザーが問い合わせをせずに離脱する可能性が高くなります。

つまり検索意図の変化と同様に、アクセス数は変わらずともコンバージョン率が低下する恐れがあります。

・検索エンジンの変化

ここでの検索エンジンの変化とは「検索結果で表示されるレイアウトの変化」を指します。

Googleはユーザーの利便性向上のため、検索結果のレイアウトを随時変更しています。

例えば本記事の作成時にモバイルで「歯医者 京都」と検索すると、その検索結果は以下のように表示されました。

赤枠が自然検索1位のWebサイトです。到達するまでに多くのスクロールが必要です。

表示の順番は以下の通りです。

1)広告枠 2)Googleマップ 3)他の人の検索語句 4)自然検索1位のWebサイト

検索語句やデバイスにもよりますが、自然検索1位のサイトよりも上位に表示される要素は一昔前に比べて増えています。

つまり自然検索1位を維持していても、さらに上位に表示されたリンクにユーザーがアクセスする割合が徐々に高くなり、自社のWebサイトにアクセスする割合は徐々に減少していく可能性があるということです。

ちなみに社内で調査したところ、同じキーワードで自然検索1位を維持しているにも関わらず、直近3か月と昨年同時期の比較でクリック率の低下が見られるサイトが複数確認されました。

・現状維持に注力しすぎると外部の変化に置いていかれる

SEO対策が成功した状態であっても現状維持に注力するあまり外部の変化に対応できずにいると、いずれ集客効果は低下します。

では集客効果を維持し向上させていくために、具体的にどのような展開が必要になるのでしょうか。

SEO対策が成功した後のWebサイトの展開例

SEO対策成功後の集客効果の低下は「現状のターゲットキーワード」「現状の集客エリア」での問い合わせ獲得が限界に達したともいえます。

この「ターゲットキーワード」「集客エリア」の2つの軸を見直すことで、Webサイトの展開は見えてきます。

大きくは以下の3つの方向性が挙げられます。

  • ターゲットキーワード、集客エリアは変えない
  • ターゲットキーワードは変えずに、集客エリアを追加する
  • ターゲットキーワードを追加する

これらの方向性をもとにWebサイトの展開を考えていきます。

ターゲットキーワード、集客エリアは変えないWebサイトの展開例

いずれも変更せずに集客効果を維持、向上させていく展開です。

さらに3つの展開例に分けて紹介いたします。

関連するロングテールキーワードの獲得を強化する

Webサイトの展開規模:ページの追加・改修~新規制作

ターゲットキーワードに関連するロングテールキーワード(複数の語句が組み合わされたキーワード)の獲得を強化します。

たとえ検索母数が少なくとも需要があると予測されるキーワードは実施する価値があります。ターゲットは限定するほど、合致した際に爆発的な効果を発揮するからです。

ターゲットキーワードが「ホームページ 制作」の場合は例えば「ホームページ 制作+任意の業種」がロングテールキーワードとして挙げられます。任意の業種に所属する担当者が、その業種に特化したホームページ制作会社を探す際のキーワードです。

業種キーワードを既存ページに追加する程度の簡易的な改修では検索上位の獲得や、問い合わせの獲得は期待できません。専門性や情報量がある程度は必要なため、ページの改修や追加が最低ラインです。

事業として確立する想定であれば、将来的な情報の充実化も見越して特設サイトの制作が望ましいでしょう。

サービス内容や訴求内容を市場の需要と合致させる

Webサイトの展開規模:リニューアル

既存のWebサイトで表現しているサービス内容や訴求内容を見直します。現在から将来にかけての市場と差異が生じていないか精査しましょう。

市場の需要はターゲットユーザーの属性や思考と直結します。ターゲットユーザーの属性や思考を見直すということは、Webサイトのコンセプトそのものの再構築です。

Webサイトの部分的な改修では留まらず、全面的なリニューアルが必要です。

自然検索以外の経路を開拓する

基本的にWebサイトの改修や新規制作は必要としないため、施策の手法によっては比較的ハードルが低く未開拓の経路があれば試す価値はあります。

代表的な例ではリスティング広告が挙げられます。

同じターゲットキーワード、同じ集客エリアでリスティング広告を出稿しても自然検索1位よりもさらに上位に表示させることができます。

広告経由でアクセスしていたユーザー層を獲得できるため効果は見込めます。

ターゲットキーワードは変えずに、集客エリアを追加する

Webサイトの展開規模:ページの追加~新規制作

同じターゲットキーワードで、別エリアの顧客を開拓します。

多くの場合、SEO対策が成功したターゲットキーワードであっても別エリアでの検索結果は下位、もしくはランクインしていません。

これは検索エンジンがWebサイトのエリア情報を強く重視しているためです。「そのエリアで提供しているサービス」のWebサイトであるかどうか、ということです。特にBtoC事業のWebサイトでは事業所の所在地があるほど評価されやすいと思われます。

そのため、展開するエリアの情報に特化したページ、もしくはサイトが必要です。エムハンドの場合は本記事をアップしている東京サイトとは別に、以下の大阪サイトを設けています。

加えてコンバージョン率の観点では既存サイトとの差異がエリアの情報のみでは不足しているといえます。

ターゲットキーワードは変わらずとも、エリアが異なればユーザーの属性や思考も変わります。他の競合サイトをよく調査して、そのエリアの市場感に合ったWebサイトを用意しなければなりません。

ターゲットキーワードを追加する

Webサイトの展開規模:ページの追加・改修~新規制作

従来のターゲットキーワードに類似・関連するキーワードの獲得を強化します。ロングテールキーワードの獲得強化と近いです。

例えば従来のターゲットキーワードが「ホームページ 制作」の場合、類似・関連するキーワードとしては「ホームページ 運用」「ホームページ 更新」などの関連事業が挙げられます。「カタログ印刷」などのような完全な別業種は除きます。

Webサイトの展開もロングテールキーワードと同じです。追加するターゲットキーワードを「ホームページ 運用」とした場合、専門性、情報量に特化したページや特設サイトを展開していきます。

おすすめできないWebサイトの展開例

最後によく挙げられるものの、エムハンドではおすすめはできないWebサイトの展開例をご紹介します。

同じターゲットキーワード、集客エリアの別サイトを設ける

自社のサイトを複数設けて、検索エンジンの上位を独占する展開です。一昔前は有効な手法であったかもしれませんが、現在は間違いなく失敗するでしょう。

基本的にGoogleは、同一企業が運営する複数のサイトを同一のエリア内で、同一のキーワードで同時に評価することはありません。ユーザーにとって有益と判断したWebサイト1種を評価します。

仮に、各Webサイトで別名義の会社が運営している表記にしても、GoogleはWeb上の情報を辿りいずれは同一企業として認識される可能性が高いと考えます。

さらには既存サイトとは別の新規サイトを制作したとしても、自然検索の上位に表示させるまでに多大なコストが発生します。

リスクが高く成功する可能性は極めて低い展開手法のため、おすすめはできません。

まとめ

SEO対策はWeb集客で非常に重要視されます。

同時に非常に難易度が高いため「SEO対策を成功させるためにはどのようにするべきか」といった道程に注目されることが多いと感じます。

しかし、仮にSEO対策に成功したとしても集客効果が持続するとは限りません。自然検索1位ではなくとも1ページ目に表示される機会が多くなり、問い合わせの発生が継続し始めた段階で、今後の集客の展開を考えておくべきでしょう。

株式会社エムハンドマーケターチーム

広告戦略を元に、クライアントの課題解決に向けたプロモーション活動を提案・実行します。

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