「歯科医院+エリア名」「歯医者+エリア名」などのターゲットキーワードで検索上位を獲得できれば、ホームページでのWeb集患においては非常に有利となるでしょう。
しかし、いわゆるSEO対策において「この施策で検索順位が必ず上がる」という必勝法は、残念ながら存在しません。効果があると思われる施策の実行と検証を繰り返していく必要があります。
「効果があると思われる施策」の考案方法はいくつかありますが、ひとつに競合調査が挙げられます。ターゲットキーワードで検索上位にある競合の歯科医院ホームページの傾向をつかみ自院のホームページに不足している内容を施策として考案する方法です。
今回、弊社で歯科医院ホームページの傾向調査を行いましたので、ぜひ参考にしてみてください。
■目次
歯科医院SEOの現状について
歯科医院の業種も含めてSEO対策は全般的に過去と比べて難易度が格段に上がっています。理由としては大きく2つ考えられます。
①検索エンジンのアルゴリズムが複雑化している
検索エンジン最大手のGoogleは、検索結果の順位を独自のアルゴリズムによって決めています。このアルゴリズムは年々複雑になっており、単一の基準では計り知れない精度になっています。
公開されている評価基準としては「ユーザーにとって利便性の高いホームページ」を主軸に、いくつかの主要なポイントがありますが、いずれも「具体的にこの施策を実行すればよい」というものではありません。相対的に判断されています。
そのため、そもそも高い評価を受けて検索上位を獲得すること自体が非常に困難になっているのが現状といえるでしょう。
②検索順位が非常に変動しやすい
Googleはアルゴリズムの精度を向上させるため、日常的にアップデートを繰り返しています。頻度としては大規模、小規模を含めると1か月で複数回にも及びます。そして、アルゴリズムのアップデートが行われると、順位変動が発生しやすくなります。
キーワードにもよりますが、順位が一定期間、一切変動がないというケースは、現状ではかなり珍しくなったと思われます。
つまり、仮に検索上位を獲得したとしても、順位をキープすること自体も非常に難しいといえます。
以上の点から難易度が高くなった現状のSEO対策においては、画一的なものではなく、現状の傾向を抑えた上での施策がより効果的であると考えられます。
(基本的な対策を行うことで、一定の効果が出るケースもございますのでご留意ください。)
SEO傾向調査の概要
以下の方法で傾向調査を実施しました。
調査方法
- 使用する検索エンジン:Google
- 使用するデバイス:パソコン
- 「歯科医院+エリア名」のキーワードで検索
- 検索結果に同じドメインまたはサブドメインで異なるページがある場合は上位の順位に集約、以降の順位を繰り上げ
- 歯科医院検索サイトは除外の上、以降の順位を繰り上げ
- エリア名は東京、大阪
- 検索場所は京都
調査項目
今回は、SEO対策では重要といわれることケースが多いと思われる以下の2つの項目を調査しました。
- 「ページ数」(多いほど高い評価を受けやすい、といわれることが多い)
- 「ページ速度」(速いほど高い評価を受けやすい、といわれることが多い)
ページ数
Googleにインデックスされているページ数がわかる「site:」コマンドで調査しました。
ページ速度
Googleが提供する無料のチェックツールPageSpeed Insightsで調査しました。速度の目安とされるパフォーマンススコア(デスクトップ)を指標とします。
「歯科医院 東京」のページ数、パフォーマンススコア調査
それでは、歯科医院ホームページのSEO傾向調査の結果をご紹介していきます。
まずは、「歯科医院 東京」で検索した際に表示される上位5つのホームページの傾向です。
※結果は2022年2月時点での内容です。検索結果は日々変動しますので、ご留意ください。
検索順位 |
ページ数 |
パフォーマンススコア(最大100) |
1 |
162 |
49 |
2 |
637 |
86 |
3 |
60 |
63 |
4 |
14 |
73 |
5 |
19 |
87 |
「ページ数が多いほど検索順位が高い」「パフォーマンススコアが良好であれば検索順位が高い」といった傾向は見られません。
「歯科医院 大阪」のページ数、パフォーマンススコア調査
検索順位 |
ページ数 |
パフォーマンススコア(最大100) |
1 |
21 |
57 |
2 |
168 |
65 |
3 |
77 |
100 |
4 |
57 |
53 |
5 |
568 |
34 |
大阪エリアにおいても、ページ数やパフォーマンススコアと検索順位の相関性は見られません。
歯科医院ホームページにおけるページ数とページ速度に関してのSEO傾向
東京と大阪エリアの歯科医院ホームページの調査を通して、以下のことがわかりました。
- ページ数が多ければ多いほど検索順位が高いとは限らない
- パフォーマンススコア(≒ページ速度の目安)が良好なほど、検索順位が高いとは限らない
では、その他に考えられる傾向はあるのでしょうか。
今回の調査を通して、傾向がひとつ見られましたのでご紹介いたします。
診療科目ページに関してのSEO傾向
今回調査した東京の歯科医院ホームページ5種と、大阪の歯科医院ホームページ5種では診療科目ごとにページが独立して設けられている傾向が見られました。
「歯科医院 東京」の診療科目ページ状況
※診療科目ごとにページが独立している場合:「〇」、独立しておらず診療科目一覧ページとしてまとめられている場合:「-」
検索順位 |
診療科目ページ状況(※) |
1 |
〇 |
2 |
〇 |
3 |
〇 |
4 |
〇 |
5 |
– |
東京の上位4サイトは診療科目ごとにページが独立していました。
「歯科医院 大阪」の診療科目ページ状況
※診療科目ごとにページが独立している場合:「〇」、独立しておらず診療科目一覧ページとしてまとめられている場合:「-」
検索順位 |
診療科目ページ状況(※) |
1 |
〇 |
2 |
〇 |
3 |
〇 |
4 |
〇 |
5 |
– |
大阪も東京同様に、上位4サイトが診療科目ごとに独立したページがありました。
あくまでもひとつの可能性、ひとつの要因であり、診療科目ごとに独立したページを設けることができればSEO対策は万全というわけではありません。
しかし少なくとも今回の調査においては、検索上位にある歯科医院ホームページは、診療科目ごとに独立したページを設けているケースが多いといえます。
目指すべきはユーザーの利便性が高い歯科医院ホームページ
歯科医院ホームページのSEO傾向調査の結果をご紹介いたしました。
冒頭でも述べたとおり、Googleの評価の主軸は「ユーザーにとって利便性の高いホームページ」にほかなりません。
ホームページを利用するのはあくまでもユーザーです。極論とはなりますが、ユーザーのことを考えたホームページはたとえ流入数があまり多くなくともWeb集患率が高くなる可能性があります。
一方で、SEO対策に気を取られすぎてユーザーを置き去りにした、ユーザーが使いづらいホームページになれば、Web集患率は低くなってしまうでしょう。
歯科医院のWeb集患を強化されたいという方は、SEOに限らずユーザーの利便性が高いホームページを念頭に制作をご検討いただければと思います。