はじめに
近年日本でも自分の口臭についての理解が広まり、口臭ケアを積極的に行う人も増えてきました。
こうした口臭ケアの高まりを受け、専門の口臭外来を設置し集患を行う歯科医院も増えているように、「口臭」が歯科医院の集患におけるキーワードになりつつあります。
こちらでは日本人の口臭問題に着目しつつ、歯科医院の新たな集患テクニックについてご紹介します。
日本人の口臭問題
多くの日本人、特に35歳以上の約8割が口臭の原因の歯周疾患を罹患しており、潜在的なニーズが高いのが「口臭」 です。
日本人は口が臭いのか?
歯周疾患を抱えているにも関わらず十分なケアを行わなかったり、歯科医にかからなかったりする人が多くいます。最近では虫歯治療以外、定期的に通院し歯の健康状態を診てもらう人も増えてきていますが、基本的には歯が痛い、歯が欠けたなど、実際になにか困りごとが起きてから初めて歯科医にかかる方が多いのが現状です。
日本人の約6割が虫歯治療が来院のきっかけというデータもあります。35歳以上の日本人の約8割以上が歯肉炎を含めた歯周疾患にかかり、口臭の原因となる要因を持っているにも関わらずこういったデータがある点は、注目すべきです。
日本人が口臭を気にしない理由
日本人が口臭を気にしない理由は、根本的な部分でいえば、口臭があるからと言って日常困ったことが起こらないからでしょう。
日本では口臭があっても仕事を失うワケではありませんし、誰かに攻撃されることはありません。毎日歯を磨いているから、虫歯がないから大丈夫と考えている人が世代問わず多く、口臭のあるなしまで気を使う人がそれほどいないのです。
口臭問題を逆手に取った集患
口臭問題については意識が低い日本人。この意識の低さをどのように刺激し、「自分のこと」として危機感を持ってもらえるのでしょうか。一つのヒントとなるのが在日外国人に対するアンケートです。
在日外国人のアンケートについて
在日外国人を対象にした「オーラルケアの実態に関する意識調査」では、実に7割の人が、電車やバスなどの公共交通機関、そして彼らの勤務先で日本人の口臭が気になったと回答しています。また4割の人は日本人の口臭が嫌でキスしたくないとし、ビジネスシーンを含めオーラルケアは徹底してほしいと8割の人が答えています。
またアンケートに回答した在日外国人の半数以上が、予防のために歯科医院に通い、口臭を含めたメンテナンスを行っているとのこと。
日本人は虫歯治療で歯科医にかかる人が過半数、在日外国人は予防歯科での通院が過半数です。この口内環境に対する真逆の志向性は、歯科医の立場から指摘すべきであると考えられます。
口臭外来を設けた場合のメリット
口臭外来を設ける一番のメリットは通常の治療に加え一つ、集患チャネルが増えることです。
ターゲットの異なる層にそれぞれアプローチできるため、たった一つですが集患効果は大きく、Webサイトを利用したマーケティングにおいて欠かせない要素になります。
口臭に関する正しい知識をホームページに掲載
口臭対策ができる歯科医院をしっかりとアピールすることが、新患増加につながります。
そのために、ホームページに掲載するコンテンツを充実させましょう。いくつか方法を紹介します。
歯科医院ができる口臭対策を紹介
口臭対策に関するコンテンツを丁寧に配置すると、サイトを訪れた人に対して親切です。内容をよく読んでもらえるので、集患につながる可能性も高くなります。
たとえば日本人の場合、歯の正しい磨き方やフロスを利用した歯間磨きの重要性について知らない人が多いので、そのコンテンツがあるだけでもホームページの価値も上がります。
口臭を自覚する方法を紹介
口臭は普段自覚できないものです。そのため多くの人が自分の口臭に気づくことなく生活しています。こういう人たちにとって、自分がまさか口臭があるとは考えていませんから、口臭を自覚してもらえれば理解も進みます。
ブレスチェッカーを利用するのは個人では難しいので、歯間をフロスでこすりその匂いを嗅ぐ、あるいはビニール袋に息を吐きその匂いを嗅ぐなどの方法を紹介し、気になったらお気軽にご相談くださいと書いておくのもアリです。
口臭の悩みを相談できるコンテンツを設置
口臭の悩みに対するFAQコーナーや、歯科医に直接質問できるコーナーをサイト内に設けることで、集患につなげていく方法もあります。
- 日本臨床歯周病学会のQ&A (https://www.jacp.net/perio/qa/)
- 一般的な歯科医院のQ&Aページ (https://www.jacp.net/perio/qa/)
こういったサイトを参考にコンテンツを設置してみてはいかがでしょうか。
口臭対策に力を入れている医院をアピール
口臭外来を設ける、あるいは口臭外来がない場合でもサイト内に口臭や口臭ケア、口臭原因の歯周病治療などに関する記述がある、あるいは特設ページで説明するなどのコンテンツを設置しておくと内容が充実し、相談したいと思う人も増えます。結果として集患につながっていきます。
また予防の大切さをアピールするコンテンツも重要な役割を果たします。先ほどの在日外国人を対象にしたアンケートもそうですが、歯科医院には治療だけでなく、予防のために通うのは正しいことであるとアピールすべきではないでしょうか。
口臭対策を行わないと起きるデメリットを強調
自分が将来被るかもしれないデメリットに対して、人は真剣に耳を傾けるようになります。
こうした点を逆手に取り口臭対策を行わない場合どんな怖いことが起きるのか、歯科医の観点から論理的説明したコンテンツや、ご自身の治療経験から得られた独自の視点で口臭対策について言及できれば、説得力のある良いコンテンツができます。
こういったオリジナリティは、ほかのサイトにはないコンテンツとして検索エンジンにも優良なサイトとして認められることになり、検索結果の上位に表示されやすくなるでしょう。SEO的な観点からも効果的です。
まとめ
ここまで口臭問題に着目し、歯科医院の集客テクニックについてみてきました。口臭の自覚という部分ではまだまだ日本人全体として薄いので、まずは自覚を促すコンテンツを設置するとともに、気軽に来院できるよう口臭外来を設けるなどして、多角的に集患を行っていくと良いかと思います。