最近はその名前を聞かない日がないほどの浸透度と話題性を持っている”LINE”ですが、そのサービス全体は、単なるコミュニケーションメディアとしてのSNSの領域を超えて、インテグレーションメディアと呼べるような内容に発展しています。
それに伴い、ビジネスツールとしての”LINE@”(LINE上のいわゆる法人アカウント)の機能も整い、プロモーション的な活用も本格化してきました。他のSNSのような広告メディアとしての利用だけではなく、LINE@独自の面白い仕掛けや活用方法が可能です。
今回は、そのLINE@の特性や機能を解りやすくまとめると共に、具体的なビジネス活用事例もご紹介します。
LINEのインパクトは思ったより大きい
昨年辺りから若年層のFacebookの離れが囁かれるようになりましたが、グローバル視点ではFacebookはまだまだ最強のSNSと言えるでしょう。しかし国内に限ると状況は少し違ってきます。ユーザー数やアクティブ率を比較してみると以下のようになります。
国内ユーザー数:2,400万人(2014年11月)
月間アクティブ率:53.1%(約1,270万人)
●LINE
国内ユーザー数:5,200万人(2014年7月)
月間アクティブ率:90.6%(約4,700万人)
(参考 日間アクティブ率:66% (約3,400万人))
総務省のリサーチでは、FacebookやTwitter、Google+の利用率18%~27%をはるかに凌いで、44%の利用率となっています。年代別に見ると、10代、20代ではそれぞれ70.5%、80.3%と、文字通り”無くてはならない存在”になっています。
LINE@とは?
“LINE@”とは、LINE上のいわゆる法人アカウントです。登録は無料ですが、1カ月のメッセージ配信数が1,000通を超える場合は、月額5,400円の有料プランに申し込む必要があります。
LINE@アカウントでできる事は、
- LINE上で友だちになってくれた方全員に、メッセージを一斉配信できる。(配信予約も可能)
- 通常のLINEのトークと同様に、1対1のトークができる(1:1トーク)
- 専用のホームページを開設でき、通常のホームページのようにそこから情報発信できる
- 不特定多数向けのタイムラインから、新着情報などの情報発信ができる
- PRページを使いクーポンなどの発行ができる
- リサーチページを使えば、アンケートや人気投票などの動的なコンテンツが配信できる
であり、基本無料又は月額5,400円のプロモーションツールとして考えると、非常に多彩な機能を持っています。
プロモーションツールとしてのLINE@の特徴
●LINEの圧倒的なユーザー数の多さと利用率の高さ
上記のように、母数となるユーザー数が多い上、実際の利用率も高い。
●閲覧率の高さ
いつも手元にあるスマホに対して直接メッセージがプッシュされるので、閲覧率が高い。
(ロック画面上でも、メッセージ着信が通知される状態にしているユーザーも多い)
●運用が簡単
簡便な操作で、さまざまな情報発信やプロモーションが実施でき、運用者の負荷が軽い。
LINE@の課題
●いかに”友だち登録”してもらうか
タイムラインを使い不特定多数にアプローチすることはできますが、やはりLINE@の一番の強みはメッセージを直接配信することです。従って、いかにメッセージ配信できる”友だち”を増やすか、が課題です。友だち登録を増やすには以下のような方法があります。
- 店舗(医院)内でポスターやPOPを掲示したり、チラシを配布する
- 会計時などに、メリットを説明して登録促進の声掛けをする
- WEBサイトの目立つ場所に、LINE@を紹介するバナーやQRコードを掲載する
- スマホからWEBサイトを閲覧した場合に「友だち追加」ボタンを表示させる
※「友だち追加」ボタン:LINE社から提供。ボタンを押すとLINEアプリが起動して
友だち追加が簡単に行える
●メッセージ配信の頻度とのタイミング
メッセージ配信の頻度は、多すぎれば鬱陶しく感じられ友だち解除される恐れがあり、少なすぎると効果が低くなります。適切な頻度を判断するのは難しい部分もありますが、例えば年に数回しか訪れないような高級宝飾店から毎週メッセージが配信されてもメリットを感じられませんし、反対に毎日のように利用するスーパーマーケットから週に2~3度セール情報が配信されれば、かえって待ち遠しくもなるでしょう。
歯科医では患者さんにより来院される間隔はまちまちですから、基本的にあまり多くない頻度でかつキャンペーンやクーポンなど有用な情報や、イベント情報を配信してくのが良い方法と思われます。
配信するタイミングも重要です。上記のスーパーマーケットのセール情報であれば、当日の昼頃を狙って配信するのが効果的ですが、「当日限り」的なキャンペーンではない限りは数日の余裕をもって配信するのが良いでしょう。
また、ターゲットとする層によって配信する時間帯を配慮したいところです。一般的には、朝の通勤痛学区時間帯やお昼のランチタイム近辺、夜間の利用率が高くなっていますが、お勤めの方がターゲットならランチタイムや夜、主婦中心なら昼間に配信すると閲覧率が高くなります。
LINE@の活用事例
続いては、LINE@公式ブログから何店かの活用事例をご紹介します。
●ホワイトニング専門店『フランシュールデンタルクリニック』
※画像はLINE@公式ブログより引用
銀座に出店するホワイトニング専門店です。
メッセージによるクーポン配信や、1:1トークによる相談や予約の受付と中心に展開を行っています。
LINEの気軽さを利用して、利用者との距離感を縮めることに成功しており、今後も利用者の不安や疑問を手軽に解消できるツールとしても活用して行く予定。店舗側も利用者側もやはり手軽さがメリットと感じているようです。
友だち集めは、店舗での声掛けやメルマガやDMでの案内が中心。
●美容整体サロン『スマイルボディー』
人気モデルにも評価が高い名古屋の美容整体サロン。
店舗のターゲットとLINEの利用層が近く、利用し始めてすぐに効果が現れたとのこと。
クーポン配信で1カ月約30人が来店しており、月当たり150~200人友だちが増加。やはりターゲットがマッチするとプロモーション効果も大きいようです。
「LINE@は来店されたお客様をフォロー、再来店を促すツールとして位置付けている」と、方向性が明確であることも成功の秘訣だと考えられます。
また、運用の手軽さもメリットとして感じているようです。
●シューズブランド『クロックス』
サンダルで有名なシューズブランドです。
友だち登録すると、お子さま向けに店舗内のガチャガチャが回せる、と言う特典付の「ガチャガチャキャンペーン」というユニークな展開を行い成果を上げています。
LINEの強みは「店舗の外でも接客できる」こと。また、「店舗でのコミュニケーションからの友だち登録は、エンゲージメントを深めやすく、ブロックにつながりにくく」「質のよいお客さんを集めたい場合にLINE@は有効なツールだと考えている」というインタビューの言葉は、LINEを活用する上でのヒントになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。ユーザー数や利用率の高さそして機能面からも、LINE@は非常にコストパフォーマンスのよいプロモーションツールであることはご理解いただけたかと思います。利用率は10~20代が非常に高くなっていますが、40代以上の層の利用率も他のSNSに比べて伸びきていることも見逃せません。
運用負荷も”軽い”ので、アイデア次第でさまざまなプロモーションを行うことも可能です。皆さんも、まずは無料プランから始めて、色々なアイデアを試してみてはいかがでしょうか。