今回のお客様インタビューは「たけち歯科」の院長である武知幸久院長に「WEB集患」と「ブランディング」についてお話をお聞きしました。
京都市中京区にある「たけち歯科」では一般的な歯科治療だけでなく、審美歯科、インプラント治療も施術されています。
現在サイトとして運営されているのは、一般の歯科治療をメインに掲載した「たけち歯科」の公式サイトとインプラント治療に特化したサイト「インプラントセンター京都」の二つです。
数ある医院の中でもWebからの集患に成功してると全国から注目されてる、武知院長はWEB集患とブランディングに対してどのような取り組みをなさっているのでしょうか?
開業医の院長先生はぜひ参考にしてみてください。
以下、当社代表山手によるインタビューです。
WEB集患とアナログ集患のちがい
山手:まずWebサイトおよびアナログ広告での集患状況はどのような割合でしょうか?
武知院長(以下、敬称略):現在アナログ集患はほぼ行っておらず、駅看板と路面広告くらいです。
新規患者様にはどういったきっかけで来院されたのかのデータをとっているのですが、これらのアナログ広告から来院される患者さんは全体の数パーセント程度です。
多くの患者さんは「患者さんからの紹介」と「Web」で集患しており、その割合は半々くらいです。
山手: Webサイトとアナログ広告では集患した患者さんに特徴の違いなどありますか?
武知:やはりWebサイトをきっかけに来院される患者さんは、当院のサイトトップページにあるメッセージに共感してお見えになりますのでニーズが絞れています。
つまりこちらがイメージした集患ができています。
一方アナログの「紹介」などで来院される患者さんのニーズは千差万別です。
歯科医院としての差別化、そしてブランディング
山手:歯科医としての技術の違いを一般の患者さんにアピールするのはなかなか難しいことだと思いますが、たけち歯科さんではどのようなことを意識されていますか?
武知:やはり今の日本において資格は「信頼感」という意味でも大きなアピールとなります。
ですので「国際歯科インプラント協会専門医」や「国際口腔インプラント学会指導医」など取得した資格はサイト上に掲載することにしています。
また海外での学会参加や研修報告もサイト上で行っていますが、こちらも「信頼」の創造という意識があります。
まぁ実際、歯科医として新しい技術は常に研鑽しないといけないですし、それを治療前にわかりやすく表現することは、患者様の不安解消にもなると思います。
あとはシンプルにWebサイト上での「画」という点もありますね。「外国の偉い歯科医の先生と並んで写真に映っている」といったことが他診療所のサイトとのわかりやすい差別化にもなっているのではないでしょうか。
山手:雑誌や新聞などのメディアにも積極的に露出なさっていますよね?
武知:やはり信頼性の高いメディアに出るということが、そのまま当院への信頼性につながると思います。
山手:なるほど。そういった観点からいくと、「たけち医院」を移転された際、医院というよりも高級ホテルのようなイメージで内装をリフォームされたこともブランディングと関連しそうですね?
武知:まず「ブランドとは何か?」ということを考えたときに、ブランドとはおそらく「絶対的な信頼」のことだと思います。
内装へのこだわりは治療へのこだわりの1つの表現です。
内装を考えるときは照明や壁紙、細かい備品の1つ1つに徹底的にこだわりました。
そういったこだわりは、治療も同じです。それをわかりやすく表現したのが当院の内装です。
また、少し角度を変えてお話しすると、そういったことと同時に大事なのは「自分は何をやりたいか?」ということです。
つまり自分が集患したい患者さんはどんな患者さんなのか?というイメージをリストアップして、その患者さんはどうすれば来院してくださり満足していただけるのかを考えていきます。
こうした理想をすり合わせながら、3年くらいかけて現在の「たけち医院」のカタチに落としこんできました。
例えば私の場合だと「30~60代の女性」に来院していただきたいと考えています。
こうした女性たちに「この歯科医院いいね」「また来たいね」と言っていただくために、行き着いたカタチが現在の「たけち医院」です。
Webサイトにしても同じで、現在のカタチにするために1年ほどかけました。
山手:なるほど。ブランドって「わかりやすく伝える」ことが重要なんですね。
ブランディングの内部への波及効果
山手:そうしたブランディングの効果としては他に何か影響はありましたか?
武知:採用活動で集患活動と同様の効果がありました。
特に女性スタッフの場合はきれいな診療所で働きたいとか、ある程度世間に認知されている医院で働きたいという願望があると思います。
そういったことからもリニューアル後求人は倍増以上になりましたし、当院の理念に合ったスタッフを選んで採用できるようになりました。
これからの歯科医院のWEB集患
山手:最近は、キーワードに「エリア+歯科」で検索すると1~10位まではそれなりに「きれい」なWebサイトが並ぶ中で、特定の治療に特化した専門サイトで訴求力を高めたり、リスティング広告を積極的に活用されてる医院さんなども見られます。
しかし、どこも一様に費用対効果が落ちてきてるような現状の中です。
武知院長先生がお考えの「これからのWEB集患」についてお聞かせ下さい。
武知:私は今後の方向性として「体感」と「共感」だと思います。
つまりWeb上で「たけち医院」を「体感」していただくことで「共感」が生まれる。
この時「共感」が得られなかったら当院に来院されることはないと思いますし、「共感」を得られれば来院していただけるでしょう。
WEB集患はそのような「シンプル」な状況になっていくと思います。
ですので患者さんがWebサイトを開いたそのページで「体感」して「共感」してもらえるコンテンツを作る。今後のWEB集患の方向性はそれしかないと思います。
山手:例えば動画コンテンツなども?
武知:これからは動画コンテンツだと思います。
動画のほうが患者さんに訴求しやすいですし、そういう意味で私はいい時代になってくると思います。
山手:ある意味スマホやブロードバンドの一般化などによって、Web上での「体感」と「共感」を呼び起こす環境がようやく整ったと言えるかもしれませんね。
歯科医院サイトコンテンツの見つけ方
山手:さてここからはWEB集患やサイト運営のより実践的なお話をうかがっていきたいです。
「たけち歯科」Webサイトの各ページには武知院長先生がお書きになった訴求力のあるテキストが豊富に用意されています。
一般的にはWebサイトやブログに「何を書けばいいかわからない」や「書くことが見つからない」という方も多いのではないかと思います。
そこでこうした豊富な文章をお書きになる秘訣やアドバイスなどはありますか?
武知:文章の秘訣は「アイデアをどう出すか?」ということだと思います。アイデアさえあれば文章は書けますよね。
そこで方法としては思ったことを付箋に全部書き出す「ブレインストーミング」。これで作った付箋を壁に貼り付けて、順序を組み替え順番を作ればアイデアはできます。
もう一つ私が使っているのは「マインドマップ」。テーマを見つけたらマインドマップを描いて頭の中を整理します。
こうして「目次」を作れば、あとは文章をそこに落とし込んでいくだけです。
やはり大事なのは、いかに言いたいことのアイデアを引き出すか?ということになると思います。
山手:院長紹介コーナーも単なる略歴で済まさず、生い立ちや歯科医を目指すことになったエピソードなどもしっかり書き込まれていますね。これらの反響などはありますか?
武知:これは多くのマーケティング関連の書籍にも書いてあることでもあるのですが、やはりその医院なり企業のトップにいる方の苦労話や生い立ちは「共感」を生み出します。隠してしまわず出してしまうのがいいと思います。
また反響に関しては、患者さんの中でも熱心にサイトをご覧いただけている方からたまにいただきますね。
そういう患者さんはブログもお読みになっているので「あのブログはよくなかった」などのお声をいただくこともあるのですが…(笑)
歯科医院をアピールするキャッチコピーの作り方
山手:文章ということで言えば、「たけち歯科」のWebサイトには「痛くない恐くない」「なるべく削らず抜かず」など魅力的なキャッチコピーが目を惹きます。
こうしたキャッチコピーを作る上で言葉の選び方やアイデアの拾い方など意識されることはありますか?
武知:キャッチコピーはかなり意識しています。私の中ではキャッチコピーが9割、文章はあくまで1割というイメージです。
キャッチコピーが心に引っかからなければ、中身を見てもらえません。そうなると中身の文章は無意味だと思うので、キャッチコピーこそ最重要だと思っています。
山手:確かにその通りですね。キャッチコピーを考える上でのコツなどはありますか?
武知:患者さんの言葉をよく聞くということです。
若い患者さんが言った「ヤバい!痛いくない」などの実体験からヒントを得て実際のキャッチコピーの一部に使うこともあります。
あとは面白いと思った電車のつり革広告のキャッチコピーを覚えたりもします。
こうやって蓄積した言葉で、狙った人の心に引っかかるようなキャッチコピーを考えています。もちろん外すときもありますけど(笑)
でもこうして積み重ねていくことで、効果的な言葉にフォーカスできるようになりますし、言葉も見つけやすくなりますよ。
無料相談コーナーの影響
山手:「たけち歯科」のWebサイトには「無料写メール相談」というサービスがあります。
これは患部を携帯カメラで撮影してメールに添付して画像を送れば、回答をもらえるという無料サービスですが、キャッチ―で気軽でそれでいてしっかりと相談に乗ってくれそうという絶妙なバランス感があります。
こちらのサービスの反響などはいかがですか?
武知:問い合わせ数は多いです。ですがやはり患部の写真だけですと、可能な範囲のみでしかお答えできません。
来院していただければ解決を示すこともできるのですが、やはりメールだけでは完結しないこともあります。
そこで満足していただける場合もありますし、「なーんだ」で終わってしまう場合もあります。
いずれにしても来院していただけるきっかけが広げるという意味では、設置してよかったかなと思っています。
インタビューを終えて
「たけち歯科」のWebサイト制作に携わらせていただいて感じることは「こだわり」です。
制作会社に任せきることなく、武知院長先生自身が「サイト訪問者の目にどう映るか?」という視点をたえずお持ちになって、Webサイト制作に取り組まれる姿勢は「たけち歯科」というブランドに一貫して通底している哲学にさえ感じます。
一方で武知院長の情報収集の範囲は広く、WEB集患という点においても、なにより患者さんに満足いただける医療サービスの提供という点においてもよりよい結果を導くために取り組まれている姿がうかがえます。
今後ともWebサイトの制作を通じて、そんな「たけち歯科」のブランディングの一助になれれば幸いです。