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2018年に備えて見直そう! コンテンツマーケティング手法の基本ポイント

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日本では2015年あたりから盛り上がり始めたコンテンツマーケティングは、わずか2年足らずでその手法において、大幅に拡大し、さらに進化も続けています。

2017年で3回目となるコンテンツマーケティングEXPOの人気企画、注目のマーケターたちが講師として登壇するマーケティングセミナーから、主要キーワードを抜き出して2016年度版と比べてみましょう。

2016年は「動画を核にしたSNS、成功のポイント」「コンテンツの作り方と流通の新潮流」「マンガ・コンテンツ」「特撮・VFX」「ロボット」「動画×SNS」「デジタルマーケティング」「オウンドメディア」などなど。

2017年は「デジタル×フィジカル」「コンテンツ戦略」「動画ブランディング」「小さいがより強い嗜好性でつながるスモールマス」「『体験拡張』としての動画の在り方や『感情分析』」「プラットフォーム/VR」「日本にしか作れないVRコンテンツ」「ロボット、VR/AR、AIが導く進化」「AI×クリエイティブ」「シアター型VR」「ロボホンが見据える、コミュニケーションロボット」などなど。
マーケティング手法として新たに取り入れられたアイテムが定着し、深化と進化を重ねていっている様子が見て取れます。

大いに盛り上がるマーケティング業界ですが、「そもそもコンテンツマーケティングって何だっけ」という方はいらっしゃいませんか? 進化を続けるコンテンツマーケティングですが、その手法自体は実はとてもシンプルで古くからあるものです。今回はその基本をご紹介します。すでにコンテンツマーケティングを始められている方はその進め方はセオリーに則っているかのチェックにもお使いください。

コンテンツマーケティングとは何か?

その考え方の発祥は意外と古く、1895年にアメリカの農機具メーカーであるDeere & Companyが顧客である農家に対して新しい技術の紹介や「成功できる農家になるためには」といった情報を掲載した雑誌『The Furrow』がその始まりと言われています。
日本でも有名なフランスのタイヤメーカーミシュランによるレストラン&ホテルガイドも1900年に初版が発行されているので、コンテンツマーケティングの老舗と言えますね。

現代のコンテンツマーケティングは2000年頃にアメリカで生まれたマーケティング手法で、この時点ではコンテンツの種類については特にWebと限定されていたわけではありませんでした。ところが、2014年頃に日本で導入され始めた頃にはそのコンテンツの主役は時代の要請としてデジタルコンテンツが圧倒的多数になっていたのです。
というのも、日本でコンテンツマーケティングが流行った理由の一つに、Googleによる「良質なコンテンツこそ、上位に表示させるべき。それがユーザー満足に繋がる」というコンテンツ重視の方針があったからです。

コンテンツマーケティングに取り組む際のポイント

では、実際にコンテンツマーケティングに取り組もう、さらに注力しようとした時に大切なのはどんな点なのか、そのポイントを簡潔にお伝えします。
コンテンツマーケティングを 1)計画、2)作成、3)配信、4)成果分析の4つのフェイズに分けて、各段階で押さえるべき点をまとめています。

計画段階

課題を定める

まずは、課題を意識することから。目標を3つ決めましょう。例えばSNSでのコンテンツの投稿数アップと動画の導入(具体的な目標数)、新たなファン層拡大のために、流入量をアップさせる(具体的な目標数)、オフラインイベントの実施など、注力すべきテーマを定め、その明確な目標を決定します。

十分な予算を確保する

「とりあえず」的な予算で始めたとしても、2年目以降続けるなら、戦略的な動きができるよう十分な予算を確保しましょう。

トレンドを見据えたターゲティング、市場の絞込みする

例えば、2017年であればデジタルアシスタントやチャットボットといった形でのAI(人工知能)の活用、モバイルファースト(スマホで見ることが前提)など、その年のトレンドを踏まえてターゲットを絞り込みを行います。
また、そのターゲットに合わせたコンテンツを作成するために、狙うべき市場を明確にします。

成果の計測指標を定め、効果測定を記録する

コンテンツの成果は計測可能でなければ、目標を定められませんし、その達成具合も把握できません。KPI(目標への進捗チェック指標)を評価するためのツールや評価方法を最初に決めておきます。
また、効果の測定は日々行って記録を取り、定期的に進捗を確認し、しかるべきタイミングで振り返ります。

2)作成段階

市場で人気コンテンツを把握する

どんなコンテンツを作るかにあたっては、まず市場の動向を調査します。ターゲット層の間で最も人気のあるコンテンツは何か、また、競合他社のコンテンツはどんなものかを分析してみます。
もちろん、自社のコンテンツがある場合はその人気度(いいねやシェア、コメントの数や内容について)を検証しておきます。

専門的で価値のあるコンテンツを作り資産化する

誰でも作れるコンテンツではなく、自社の特性を生かした専門的・特徴的なコンテンツを作成し、業界のリーダー的存在感を示せるようになるのが理想です。
また、コンテンツは量を増やすために質を犠牲にすることは避けてください。蓄積していくコンテンツは企業の資産になります。出し惜しみせず、「ただで手に入れていいの!?」とユーザーが思うくらいの価値があるコンテンツを提供します。読者が高評価する1つのコンテンツは、くだらない5つのコンテンツよりはるかに効果的なのです。 

SEO対策、信頼性の確保を

SEO対策のためには、キーワードを意識したコンテンツの作成は必須です。
また、ファンからの信頼感を得るためには、コンテンツ内の目立つ場所に、電話番号、eメールアドレスなどの連絡先を記載します。オフラインでのイベントごとやファンとの交流についてコンテンツにすることも積極的に行いましょう。
また、どんなキャラクターとしてコンテンツを作成するかの設定にもよりますが、時々、書き手のパーソナリティ(仕事とは離れた社内のことや、個人的なこと)を記事にするのは、親近感や「ファンの間でだけ共有できる」特別感がわき、効果的です。

クオリティの高いデザイン

コンテンツの中身の質にこだわるのと同じくらい、必ず、良質なデザインにこだわりましょう。コンテンツマーケティングの成否のかなりの部分がそのデザインに掛かっているといっても過言ではありません。

多様なコンテンツを作

コンテンツのスタイルは一つに留めてはいけません。テキスト、音声、動画、インフォグラフィック、eニュースレター、eブック、プレゼンテーションなど、様々な種類のコンテンツを作ることで、多用な人の支持を得ることができます。

3)配信段階

ファンが定着、ファンによって拡大される配信体系を確立する

ターゲットの市場がどんな時間帯ならターゲットが利用しやすいのかを十分に調査し、それに合った効果的なコンテンツを配置します。
例えば、月曜日は業界トレンド情報、水曜日は利用者からの質問に答える日とするなど、配信を体系化して、ターゲットのデジタル習慣の中に組み込んでもらえるようにします。その際には、SNSのスケジューリングツールなどを活用し、多くの人が閲覧する時間帯にコンテンツを投稿できるように前もって予約するといいでしょう。
また、SNSのシェアボタンを目立つ場所に配置し、ファンがコンテンツをクチコミで広めてくれるように促します。

ファンとの相互交流をする

双方向のコメント欄を設けている場合は、ファンからのコメントを大切にし、すぐにレスポンスを返します。返信の最後を疑問文にすると、やり取りが続き、たくさんの情報を得ることができます。
また、ファンからの質問やリクエストに答える形でコンテンツを作成するのもファンからの支持を得る方法の一つです。

4)成果分析段階

マーケティングROI計測する

冒頭でも紹介したとおり、コンテンツマーケティングはその効果が検証できるように、数値目標を置いて各種の数値を見ながら進めます。特にROI(投資対効果)を計測することは会社の業績を改善することがわかっています。
ROIを計測するために、特定のコンテンツページのコンバージョンや販売利益を正確に追跡できるような、ROIツールを使うとよいでしょう。

評価指標を分析するために、コンテンツ管理ツールを活用しましょう。

ファンからのフィードバックを循環させる

SNSを使って、ファンからコンテンツに関するフィードバックをもらえるように促し、その反応を計測、考察するとともに、それに応えて今後のコンテンツについての計画を立てましょう。

今回のまとめ

2018年にかけても、引き続きコンテンツマーケティングに熱心に取り組む企業は増加傾向と予想されています。新たにコンテンツマーケティングを始める企業にとっても、すでに始めている企業にとっても大切なのが、継続的な情報発信の取り組みです。
コンテンツマーケティングは、成果を課確認しながら常に見直しや改善を行う必要があり、すぐに結果が出るものでもありません。本気で腰を据えて取り組む企業にしか結果を出すことができない分野だとも言われています。それゆえ、長期的視点に立って計画的に推進していくことが大切です。そのためにも、今回挙げたような基本が押さえられているかは重要になってきます。コンテンツの種類が多様に進化していっても代わらない軸として、ぜひ活用してみてください。

参考:How to Master the 4Ps of Content Marketing in 2015